SDGs Leave No One Behind | 今、改めて考えるべきSDGs

6月もあっという間に半ばに差し掛かりました。環境月間はまだまだ続くので関連した投稿を続けようと思います。

今回は環境問題を含めて、これからの持続可能な社会を考えるときの基礎とも言うべき「SDGs」について考えようと思います。巷でよく耳にするようになった「SDGs」という言葉はほとんどの方がご存知だと思います。では、淀みなく説明できるでしょうか?

「SDGs」とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発のための目標)」です。日本に住んでいて持続可能というと真っ先に「環境」と一括りに考えがちですが、必ずしもそうでもありません。「環境月間だから」という目的と矛盾しているようにも感じますが、良い機会だと思うので、これからの社会を考える上で非常に重要な指標となるこのSDGsについて考えて行きたいと思います。

 

MDGsから生まれた指針

さて本題のSDGsに入る前に、まずは前段で国連が設定していたMDGsのお話をしておきましょう。MDGsとは「Millenium Development Goals(ミレニアム開発目標)」の略称です。文字通り新たなミレニアムが始まった2000年9月に開催された国連ミレニアム・サミットにて採択された国連ミレニアム宣言を基に、ほとんどの目標は1990年を基準年、達成期限を2015年として策定されました。

MDGsが策定される背景となった1990年代は、開発途上国と先進国との経済格差が激しく、極度な貧困や飢餓の撲滅や開発途上国に見られた数多くの課題(教育、ジェンダー、HIV/エイズ・マラリアなどの感染症など)に対して8つの目標がかかがられました。

2001年から達成期限となった2015年までの15年間で、多くの成果が見られた一方、国や地域によって目標の達成に差があり、地域や性別、年齢等による格差が生じているなど、MDGsの恩恵を受けられていない人々の存在が明らかになったということです。

その結果として、MDGs最終年の2015年、次の15年間の開発アジェンダとして設定されたのが「2030アジェンダ」すなわちSDGsなのです。このような背景があって、SDGsにおける開発の指針の中には、格差をなくす=「誰ひとり取り残さない」という重要なテーマが根付いていると言えます。

Photo from Flickr

 

SDGsは「誰ひとり取り残さない」社会を目指す

SDGsは、MDGsの取り組みをさらに強化するとともに、新たに浮き彫りになった課題も加えられた包括的な目標です。MDGs最終年2015年にその後を引き継ぐ形で、2030年に向けた開発アジェンダとして持続可能な世界を目指すための17の包括的な目標を掲げました。

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。 – Japan SDGs Action Platform(外務省)

■SDGsで掲げられた17の目標

目標1:貧困をなくそう
目標2:飢餓をゼロに
目標3:全ての人に健康と福祉を
目標4:質の高い教育をみんなに
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
目標6:安全な水とトイレを世界中に
目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標8:働きがいも経済成長も
目標9:産業と技術革新の基礎をつくろう
目標10:人や国の不平等をなくそう
目標11:住み続けられるまちづくりを
目標12:つくる責任つかう責任
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標14:海の豊かさを守ろう
目標15:陸の豊かさも守ろう
目標16:平和と公正をすべての人に
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

このとても壮大な17つの目標を見ただけでも、今世界が抱えている課題がなんなのかが見て取れます。MDGsの15年間でも大きな達成があり、多くの命が救われたとはいえ、まだまだ数多くの課題が存在しています。そしてSDGsでは、この17の目標を更に分解して、169項目の具体的なターゲットに落としこまれています。

17の目標が描かれたこちらのカラフルなSDGsポスター、一度はご覧になったことがある人も多いはず。世界的に見ても恵まれた国である日本で暮らしていると実感のない「格差」という問題が、まだまだ世界中に残っています。我々日本人に取って「SDGs」と聞くとどうしても身近に感じられる「環境問題」を連想しがちですが、これだけ多くの目標を含んでいるのだとを知ることがまずは大事だと感じます。とはいえ、MDGsに比べると環境問題に関する項目が強調されていることも明らかです。

 

VUCAの時代に目指すべきSDGs

■なぜSDGsが注目されるのか?

SDGsとはつまり、人間が築き上げて来た社会システムがこのまま進めば崩壊してしまうということに気づき、「持続可能な社会システムの構築」に舵を切るため国連がかけた号令とも言えます。

しかしなぜこれほどまでにSDGsに世界は注力するのでしょうか?

それはこのウェブサイトのタイトルのコンセプトとなっている「CSV(Creating Shared Value)」に相通じるところです。2000年代初頭までのCSR(Corporate Social Responsibility)という考え方から、収益事業の中でソーシャルグッドな事業活動をしていくこと(CSV)が評価される時代がやってきたことにも起因します。ESG(Environment/Social/Governance)投資ではまさにこのようなソーシャルグッドな事業活動をする企業への投資を推進しています。実はこうしたESG投資が重視されるきっかけとなったのは、2006年、当時の国連事務総長であったアナン氏が金融業界に向け、責任投資原則(PRI)を提唱したことによるそうです。

■VUCAの時代に「誰ひとり取り残さない」という考え方

とはいえ、SDGsが公表されてから既に5年が経過していますが、2020年に入った今、より一層注目が高まっている印象も受けます。その理由としては2020年に入り、新たな10年が始まったこと。そして我々日本人にとっては当然ながら東京2020大会という大きな節目を迎える年だったということ。SDGsの文脈でも具体的なアクションに進むべきタイミングに差し掛かったことが挙げられるでしょう。

一方で、MDGsの時代から更に社会環境は変わりました。複雑化した高度情報化社会の中で、新たな情報格差も生まれています。新型コロナウイルスによって噴出した様々な課題もありますが、ソーシャルメディア上での誹謗中傷や現在アメリカで起きているBLMなど、新たな社会課題が増えているのも事実です。

VUCA(Volatility/Uncertainty/Complexity/Ambiguity)の時代。1年1年劇的に変化していく気もしますが、新型コロナウイルスの影響であらゆる面でのデジタルシフトも加速し、様々な場面で素早い対応が求められる超複雑化社会になってしまった気がします。この状況の中で「誰ひとり取り残さない」という考えは非常にチャレンジングですが、確かに今だからこそ社会として取り組むべき命題だと感じています。

Photo from Flickr

SDGsとスポーツの次の10年間

■スポーツはフィランソロピーとESG投資のキーファクター

こんな超複雑化社会だからこそ、スポーツの存在は極めて重要だと考えています。スポーツにはコンテンツとしての多面性があって、SDGsのあらゆる側面に対して訴求していく力を持っていると思います。一般企業の事業活動と比べても公共性のある事業活動がしやすく、また求められる事業体なのではないでしょうか。

米国では非常に大きな産業規模となっている寄付金によるファンドレイジングがその一例。フィランソロピーと呼ばれる領域ですが、ストーリー性のあるスポーツとの親和性は非常に高いと言えます。多くのアスリートもそれぞれのバックグラウンドと繋がる社会課題に対して、こうしたチャリティ活動をしているケースも多いですね。

こうした慈善活動や奉仕活動と共に、一事業体として前出のESG投資という考え方がスポーツにも出て来ると社会のスポーツに対する期待値も大きく変わって来ると思います。スポーツ界のこうした動きには今後も注目していきたいと思います。

■リスペクトするマインド

先月、欧州4大サッカーリーグで先陣を切って再開したブンデスリーガで、2ヶ月間の中断を経てピッチに立った長谷部誠選手が5月19日放送のNHKニュースウォッチ9で複雑な胸中を語ったコメントは非常に印象的でした。

やはり誰しもが間違っていないと思うし、周りの方々を思いやって、その決断を尊重する思いやりを持つことがすごく大事なことなんじゃないかと思いますね。 –長谷部誠選手(フランクフルト)

アスリートのこういう言葉はとても心に刺さる。お互いをリスペクトすることは、すなわち「誰ひとり取り残さない」社会に繋がるのだと思います。今、社会全体が持つべきマインドだと感じています。

SDGsの考えをまとめようと思ったら、とてつもなく壮大な話になってしましましたが、いまの世界を見つめる上で非常に重要なことだと改めて感じました。そして良い備忘録となりそうです。

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