”Creating Sport Value”(「スポーツの価値」の創出)
本ブログのタイトル「Creating Sport Value」は、ハーバード大学マイケル・ポーター教授とマーク・クレイマー教授が2011年に発表したCreating Shared Value(CSV=共有価値の創出)という概念を文字ったものです。CSVとはつまり、ビジネス活動を通して、社会に対して共有価値となるモノやコトを創出して行くということ。2000年代に一般的となったCorporate Social Responsibility(CSR=企業の社会的責任)という概念の中で企業が社会に対して果たさなければならない責任として行われて来た社会貢献活動などとは異なり、CSVは本業におけるビジネス活動自体が社会に共有価値を提供して行くという新しい概念です。
資本主義社会によって、世界には様々な問題が噴出してきました。環境破壊はその最たる例ですが、現代社会は多くの課題を内包しています。CSVの事業にもビジネスである以上当然利益は求められますが、社会課題の解決に繋がるようなビジネス展開をするため、売り手/買い手のみではなく、社会一般にとっても有益となるわけです。日本には古くから「三方よし」という理念もあり、CSVの考え方にもあまり違和感はないかもしれません。
CSV(Creating Shared Value)という概念は、資本主義社会の行き詰まりから生まれました。一方、スポーツ界はどうでしょうか。「勝利至上主義」が跋扈するスポーツ界には少なからず閉塞感も感じます。ドーピングや八百長など、勝利のために不正をはたらくというケースも起きています。「勝利」にのみスポーツの価値を見出した結果、このようなことが起きてしまっているのではないでしょうか。しかしスポーツはただ「勝利」することにのみ価値が存在するわけではないはずです。
そんな背景の中で「スポーツの価値」を社会に還元する切り口を増やして行くこと、つまりスポーツ界のCSV(Creating Sport Value)が今のスポーツ界には必要だと感じています。
スポーツ界も自らの価値を社会に共有していく必要があります。特に公益法人化が進むスポーツ団体にとって、スポーツのチカラで社会のためになにが出来るのか、ということを考える必要があると強く感じて来ました。国際大会での勝利も様々な面での効果が期待され公益になるでしょう。しかしそれだけではきっと限界が訪れます。スポーツの価値を社会に還元する切り口は、挙げればキリがないほどあると思います。このブログを通して、その切り口のヒントとなる事例やアイデアを少しずつ発信していければと考えています。
「スポーツの価値」とはなんなのか。
スポーツの本質的な価値を広く社会に認めてもらうためには、スポーツが一般社会にとって必要不可欠なものにならなければならない。
世の中には様々な課題がそこかしこに溢れています。スポーツのチカラがそんな社会的課題を解決する糸口になったら素晴らしい。そしてその可能性もたくさんあると思うのです。
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