──「共有可能なスポーツの価値」とは何かを問うメディア
“Sport has the power to change the world. (スポーツには世界を変える力がある)” ー Nelson Mandela
かつて南アフリカの指導者ネルソン・マンデラがそう語ったように、スポーツには人の感情を揺さぶり、人々の行動を変える力があります。Creating Sport Valueは、その力が社会の中でどのように使われ、どのような価値を生み出してきたのかを探り、語り、紡ぐメディアです。スポーツが持つ力は、勝敗や興行価値にとどまりません。共感を生み、対話を促し、ときに社会課題に向き合うきっかけにもなり得る。Creating Sport Valueでは、そうした「共有可能なスポーツの価値」に光を当て、国内外の事例や取り組みを紹介していきます。
■CSVとは?
本メディアの名称「Creating Sport Value」は、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授とマーク・クレイマー教授が2011年に提唱した Creating Shared Value(CSV|共有価値の創出)という概念から着想を得て名付けたものです。このメディアをブログとして立ち上げた2015年当時、日本のスポーツ界は東京2020大会の開催決定を受け、社会的な期待が高まり始めていました。一方で、勝利至上主義や商業至上主義にとらわれない「スポーツの社会的価値」については、十分に語られているとは言えない状況でもありました。
“スポーツの力で、社会のために何ができるのか。”
その問いに向き合う必要性を強く感じたことが、ここでの発信を始めた原点です。(当時の問題意識については、初回投稿[2015年2月14日]にも記しています)
当時比較的新しい概念だったCSVの考え方は、「社会課題の解決」と「経済的価値の創出」を同時に実現しようとする、資本主義そのものをアップデートする視点でした。当時、この議論は主に企業経営や産業の文脈で語られており、スポーツの世界に本格的に接続されることはほとんどありませんでした。
“しかし、スポーツにこそ必要なコンセプトではないか。”
CSVとは「社会貢献」や「善意」の話ではなく、スポーツが本来持つ価値を拡張し、再定義するための視点だと考えたのです。
■2015→2020→2025
2015年から2025年までの10年間で、社会環境は劇的に変化しました。2015年には、国連が「ミレニアム開発目標(MDGs)」のアップデート版として「持続可能な開発目標(SDGs)」を発表し、社会課題と向き合う枠組みはグローバルスタンダードとなりました。スポーツ界でも、SDGsと接続する取り組みが急速に増え、結果としてCSVに通じる実践も数多く生まれてきました。
そして、日本スポーツ界にとって大きな節目であった東京2020大会の直前、世界は新型コロナウイルスのパンデミックに直面します。この出来事は、社会の在り方だけでなく、「スポーツとは何か」「スポーツは社会にとって必要な存在なのか」という根源的な問いを突きつけました。
“社会がアップデートされ続ける中で、スポーツが果たす役割は何なのか。”
この問いに本気で向き合わなければ、スポーツは社会にとって「なくても困らない存在」になってしまうリスクすらあります。一方で、スポーツの力が社会課題の解決に結びつく可能性は、今もなお無数に存在しています。
Creating Sport Valueは、2015年に芽生えた問いを起点に、10年以上かけて更新され続けてきた思考のログであり、これからのスポーツの役割を考えるためのオープンな実験場でもあります。改めて「共有可能なスポーツの価値」を紹介し、考え、問い続けるプラットフォームとしてこの「Creating Sport Value」を、メディアとして再始動させていきます。
▶︎Creating Sport Valueで語る5つの”Value(価値)”
Updated – December 30, 2025