ご無沙汰しております。再び3年間の沈黙となってしまいましたが、2026年から本格的に再始動するため、2025年のうちにCreating Sport Valueを再定義しました。

10年前にブログとして立ち上げたこのサイトをリニューアルし、もう少し明確な目的を持ったメディアにしていきたいと考えています。今回のリニューアルに伴って、メニューバーにある「AUTHOR’S BIO」、「CONCEPT」、「5 VALUES」をアップデートしたので、まずはその内容を今回の投稿で紹介していきます。

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CONCEPT

──「共有可能なスポーツの価値」とは何かを問うメディア  

“Sport has the power to change the world. (スポーツには世界を変える力がある)” ー Nelson Mandela

かつて南アフリカの指導者ネルソン・マンデラがそう語ったように、スポーツには人の感情を揺さぶり、人々の行動を変える力があります。Creating Sport Valueは、その力が社会の中でどのように使われ、どのような価値を生み出してきたのかを探り、語り、紡ぐメディアです。

スポーツが持つ力は、勝敗や興行価値にとどまりません。共感を生み、対話を促し、ときに社会課題に向き合うきっかけにもなり得る。Creating Sport Valueでは、そうした「共有可能なスポーツの価値」に光を当て、国内外の事例や取り組みを紹介していきます。

■CSVとは?

本メディアの名称「Creating Sport Value」は、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授とマーク・クレイマー教授が2011年に提唱した Creating Shared Value(CSV|共有価値の創出) という概念から着想を得て名付けたものです。このメディアをブログとして立ち上げた2015年当時、日本のスポーツ界は東京2020大会の開催決定を受け、社会的な期待が高まり始めていました。一方で、勝利至上主義や商業至上主義にとらわれない「スポーツの社会的価値」については、十分に語られているとは言えない状況でもありました。

“スポーツの力で、社会のために何ができるのか。”

その問いに向き合う必要性を強く感じたことが、ここでの発信を始めた原点です。 (当時の問題意識については、初回投稿[2015年2月14日]にも記しています)

当時比較的新しい概念だったCSVの考え方は、「社会課題の解決」と「経済的価値の創出」を同時に実現しようとする、資本主義そのものをアップデートする視点でした。当時、この議論は主に企業経営や産業の文脈で語られており、スポーツの世界に本格的に接続されることはほとんどありませんでした。

“しかし、スポーツにこそ必要なコンセプトではないか。”

CSVとは「社会貢献」や「善意」の話ではなく、スポーツが本来持つ価値を拡張し、再定義するための視点だと考えたのです。

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■2015→2020→2025

2015年から2025年までの10年間で、社会環境は劇的に変化しました。2015年には、国連が「ミレニアム開発目標(MDGs)」のアップデート版として「持続可能な開発目標(SDGs)」を発表し、社会課題と向き合う枠組みはグローバルスタンダードとなりました。スポーツ界でも、SDGsと接続する取り組みが急速に増え、結果としてCSVに通じる実践も数多く生まれてきました。

そして、日本スポーツ界にとって大きな節目であった東京2020大会の直前、世界は新型コロナウイルスのパンデミックに直面します。この出来事は、社会の在り方だけでなく、「スポーツとは何か」「スポーツは社会にとって必要な存在なのか」という根源的な問いを突きつけました。

“社会がアップデートされ続ける中で、スポーツが果たす役割は何なのか。”

この問いに本気で向き合わなければ、スポーツは社会にとって「なくても困らない存在」になってしまうリスクすらあります。一方で、スポーツの力が社会課題の解決に結びつく可能性は、今もなお無数に存在しています。

Creating Sport Valueは、2015年に芽生えた問いを起点に、10年以上かけて更新され続けてきた思考のログであり、これからのスポーツの役割を考えるためのオープンな実験場でもあります。改めて「共有可能なスポーツの価値」を紹介し、考え、問い続けるプラットフォームとしてこの「Creating Sport Value」を、メディアとして再始動させていきます。  

5 VALUES

──Creating Sport Valueで語る5つの価値

CSVでは「共有可能なスポーツの価値」を5つの価値に分類し、整理していきます。

■ Dignity

人権、貧困、機会格差、平和。
スポーツは、人の尊厳や機会を守る力になり得るのか。
国際協力や開発に関する事例を読み解く。
→ Dignityの事例を見る

■ Inclusion

障害、ジェンダー、マイノリティ。
スポーツは多様性とどう向き合うのか。
インクルーシブな社会づくりに関わる事例を読み解く。
→ Inclusionの事例を見る

■ Society

都市、災害、感染症、公共政策。
スポーツは、社会というシステムの中でどんな役割を果たし得るのか。
社会インフラとしてのスポーツの事例を読み解く。
→ Societyの事例を見る

■ Sustainability

地球環境、気候変動、資源、CO₂排出。
スポーツは、環境にどんな影響を与えるのか。
持続可能性をめぐる取り組みの事例を読み解く。
→ 
Sustainabilityの事例を見る

■ Wellbeing

健康、高齢化、メンタルヘルス。
スポーツは、どのようにより良い人の生き方に影響するのか。
人々の健康やQOLに関わる事例を読み解く。
→ Wellbeingの事例を見る

この5つの価値ベースに記事を分類することで、メディアとしてより活用の利便性を高め、社会的なインパクトを起こしやすい環境を提供していきたいと考えています。

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──未来を予測することはできない。けれど、未来を描くことはできる。

社会は常に変化し、スポーツの役割もまた変わり続けています。

ここにあるのは、あくまでも問いと、視点と、事例のアーカイブ。完成された答えではありません。

Creating Sport Valueは、スポーツと社会の接点を探索、記録しながら、その先にある未来、可能性を静かに描いていくための場所。そんな存在にしていきたいと思っています。

December 2025 – Tatsuo Ogura

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