NBA Cares | プロフェッショナルスポーツリーグとしての社会的責任

随分と間が空いてしまいました。不定期ですが地道に更新を継続して行きたいと思います!

さて、いよいよ米国では本日から4大スポーツのひとつNBAはカンファレンス王者同士のNBA Finalが行われています。エンターテイメントとしても大きな人気を博すNBAですが、この組織が2005年に設立した『NBA Cares(NBAケアーズ)』という活動を皆さんはご存知でしょうか?

NBA-Cares-Logo

『NBA Cares』は2005-06シーズン開幕前の2005年10月に、当時のコミッショナーだったDavid Stern(デビッド・スターン)氏が立ち上げた社会貢献プログラムです。今年で10年目を迎えたこの活動を通して、NBAではリーグ×チーム×選手が三位一体となってこれまでにチャリティ総額2億6千万ドル(約300億円)を集め、延べ330万時間の奉仕活動が行われ、世界26ヶ国970カ所に学び・遊び・そして住まいの場を建設してきたと報じられています。

このプログラムの立ち上げ当初に掲げられた5年間での目標は「世界規模で数百カ所の学び・遊び・住まいの場の提供」、「数百万時間の奉仕活動」、「数千万ドルの寄付金集め」というものでした。5年後にはそれを大幅に上回る成果を上げてしまいました。「影響力があり社会的責任のある組織」であるという自負から、こうした活動がスタートしている訳ですが、その影響力は絶大。NBA Caresに賛同するUNICEFや赤十字社など国際的にも有名な非政府組織やスペシャルオリンピックスなどの機関と連携し、世界各国のコミュニティに対して様々なプログラムを提供したり、NBAを通してこうした組織のメッセージを発信することにも一役買っているようです。

NBA Commissioner David Stern at a KaBOOM! build in New Orleans

NBA Commissioner David Stern at a KaBOOM! build in New Orleans – Photo from flickr

すべての会社組織は健康、福利、そして彼らの働くコミュニティーの発展に対して社会的責任を負っています。しかしプロフェッショナルスポーツリーグは特別な責任をも担っているのです。NBA選手はその知名度によって、社会に対し効果的な変革をもたらすことができるのです。 – デビッド・スターン
League Launches “NBA CARES” Global Outreach Initiative

さて、NBA Caresでは核となるコミュニティサービスのほか、具体的にどのような社会課題に取り組んでいるのでしょうか。具体的な取り組みを挙げてみます。

FIT Program:米国を始め先進国で深刻化する肥満や生活習慣に対するFIT Programではバスケットボールクリニックを通して、身体を動かすことの楽しさや食事のバランスについて学ぶようです。今年からジュニア世代への啓蒙を強化し、2年間で500万人へのリーチを目指すとのこと。
NBA Green:NRDC(自然資源防衛協議会)などの組織と共に環境保全にも取り組んでいます。啓蒙のための活動や寄付金集めが行われているそうです。
Hoops For Troops:兵役を終えたベテランの方や負傷した軍人に対する奉仕活動にも力を注いでいます。軍人に対するゲームへの招待や敬意は米国スポーツではよく見る光景でもあります。
Basketball Without Borders:国境を越えて、NBAプレーヤーが世界中のジュニア世代に対してクリニックを行い交流を持つ機会も与えられています。

Photo from flickr

Photo from flickr

こうした取り組みはNBA Caresという枠組みが出来る前から行われていたものもあるようです。しかしNBA Caresという大きな傘をつくることで、その傘の下それぞれのチームがコミュニティの課題に対して取り組んだり、それぞれの選手が自分ゴトと感じられる社会課題に取り組んでいるんですね。例えばOklahoma City Thunderは地元コミュニティでの識字率の低さという社会課題に対して『Read to Achieve』というプログラムに取り組んでいるそうです。

また、選手たちの活動に対して月間と年間でCommunity Assist Awardという賞も設けられ、選手にとっては大きなステータスとなっています。今年の受賞者は5/19のドラフト会議会場にて発表され、2012年に基金を設立して子どもたちの教育や家庭環境の支援活動を続けているOklahoma City ThunderのRussell Westbrook選手が受賞しています。

さて、1984年〜2014年までの30年間にわたってNBAコミッショナーを務め、1992年バルセロナ五輪でのドリームチームの実現や海外での公式戦開催など、NBAのグローバル戦略を進めて来たスターン氏のビジョンには、常に国際組織としてのNBAという意識があったのは間違いありません。だからこそ、各チームの地域に根ざしたコミュニティでの活動と共に、世界規模でのコミュニティに対する社会的責任という点にも気を配って来たようです。その考えがよくわかるインタビュー記事もありました。
LEADERS Interview with David J. Stern, Commissioner, National Basketball Association

昨年スターン氏がコミッショナーから退いた後、ポジションを引き継いだAdam Silver(アダム・シルバー)氏も当然このプログラムを継続し、FIT Programの展開などを見る限り更に推し進めて行くことでしょう。シルバー氏はNBAのデジタル戦略という新たな切り口でその手腕を発揮していますが、その話はまた別の機会に。

さて、”シーズンMVP”Stephen Curryと”キング”LeBron Jamesのエース対決に注目が集まるNBA Final 2015。初戦からOTにもつれ込み、面白いファイナルになりそうですね。

Photo from flickr

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